一般的にはこう思われてはいないでしょうか? 小学1年生の時には、4月生まれの子どもと3月早生まれ子の間には様々な能力に格差があるが、学年が上がるにつれてその格差は解消されていく・・・正直、私もそう思っていました。しかし、今日、娘が昼寝している間に何気なく読んだ記事にビックリさせられました。
その記事というのは
「早生まれは不利、なのか・・・? 「生まれ月格差」の驚くべき実態 数字が示すこと」という山口慎太郎教授のコラムです。
簡単にいうと、「生まれ月格差」は確かに存在する、しかもそれは大人になっても影響する。この格差は公正なものではないから是正するために対策を取るべきだ。という内容です。
次のような主張を聞いてどう思いますか?
・スポーツ選手には4月生まれが多い
・4−6月生まれと1−3月生まれでは大学進学率が異なる
・30代前半の所得では4%の違いがある
・大企業のCEOや議員には学年内で相対的に年長だった人が多い
本当だろうかと心の中の声が反論を試みますが、数字は確かに上のような傾向を示しています。
さらに驚くべきことに、「ある目的を達成するために必要な心理的特性」たとえば「統制性」「自己コントロール」「自己効力感(✴︎)」といった非認知能力についても、同じ学年の中で相対的に年長の子ほど高い能力を持っているのだそうです。
(✴︎)自己効力感:自分が目標をかなえるために正確な行動を選び取り実現できるだけの能力を持っていると信じる一種の自信
子を持つ親は、他の生徒とわが子を比べることで、なんとなく気づいているのかもしれません。うちの子は早生まれだから、他の子に比べて遅れている。この不利を跳ね返そうとして、子どもに役立つことをさせようとする。学習時間、読書時間、通塾率は早生まれの子の方が高くなるのです。その逆に、スポーツ・屋外での遊び、芸術活動(ピアノなど)などへの参加率は低くなります。4月生まれの子の場合は結果が逆になります。(スポーツや芸術活動は非認知能力と関係が深いと言われています。)
学年の中で相対的に年長のものは「しっかりしている」ように見えます。そのため全体のまとめ役などになることも多いでしょう。そのような経験が重なると、非認知的能力が鍛えられ、大人になっても、同じように振る舞えるということがあるのかもしれませんね。
どうしようもない格差のように思えますが、筆者は是正するための方策をいくつか提案します。それはコラムの最後に書いてありますので、読んでみてください。
みんなで同じ授業を受けるといった画一的なやり方がいよいよ限界に達しているのかもしれません。それぞれの生徒の能力に応じて学ぶという視点がこれから問われてくるのだと思います。