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読書週間(9) 小林章の『まちモジ 日本の看板文字はなぜ丸ゴシックが多いのか?』

世の中にはいろいろなコレクターがいますが、フォント(書体)をコレクションしている人は案外多いのです。私も、パソコンをウインドウズPCからMacに変えた時、標準搭載のフォントが豊富なことに感激したのが、フォントに興味を持つきっかけでした。 

ヒラギノ明朝の欧文、AXIS、Cliffordなどの名作フォントを世に出す世界的に有名なフォントディレクター小林章の本は何が何でも読みたいと思います。
しかも、カメラ片手に散歩しながら、フォントという切り口で街場を観察するなんて、常人にできることではありませんから。
プロの目に街の風景はどんなふうに映るのでしょうか?
副題にある日本の丸ゴシック問題は、本書のテーマのひとつにすぎません。
目次は次のように三章仕立て
第一章 日本に丸ゴシックが多い理由
第二章 世界のまちモジ観察
第三章 フォントの世界

学問書ではないのでものすごい結論を期待する必要はありませんが、作者が手書き文字を書く看板屋を訪れる場面は実に面白い。
看板屋が文字をどのように書くのかは是非見てみたいと思っていましたが、丸ゴシックと角ゴシックでは筆を入れる回数やテクニックなどがずいぶんらしい。このことを知っただけでも本書を購入した甲斐があったというものです。

小林章の『フォントのふしぎ』という本もあります。

この本でびっくりしたのは、欧米の人はアルファベットの大文字と小文字をそれほど厳密に区別していないという事実です。中学生の英語のテストだと、確実に減点対象になりますが、(今後はどうか知りませんが)どうやらそれはやりすぎのようです。彼がかかわった企業ロゴにサントリーがあります。ロゴを見てみてください。大文字と小文字が混在しているように見えます。ひげそりで有名なブラウンのロゴもよくみると同様です。

フォントのお世話にならない日はありません。教科書の書体、新聞の書体、スマホの書体、広告の書体・・・それぞれに得意分野と役割があり、うまくできているのです。パソコンで文書を作るときはぜひお気に入りの書体で。

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